デジログ使いと翁の鍵 第5ログ―偶然―

白山こっこ  2006-08-03投稿
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第5ログ―偶然―\r

「大崎―…
あ!?」
順番的にはガオウとかいう奴がそのデジログ使いらしいが。あの人の事しか考えず、蟻一匹踏む事を許さない大崎が。
人を殺す。殺させられる。
「おい、何かの間違いなんじゃないか!?大崎が、そんな…」
「あ、知り合いでした?とくに間違いは無いはずですが…」
と、ランザはもう一度紙を取り出し、さっきより顔を近付けて見る。そして間違いない、というように首を振る。
「…あいつだけは、駄目だ。人を殺すことなんて見過ごさないだろうし、ましてや自分が…っ」
零太は反論したが、すでにランザがさっきの炎を出すポーズをしたため、途中で言葉を切った。
「どんな理由があるかは知りませんが、その、あなたたちデジログ使いのパートナーとなる人間は、『翁の鍵』と呼ばれ、変更することや二重に持つことは不能です。つまり一度選ばれたら、もう運命だとして受け取って貰わなければ…」
零太は、自分でさえこの修行とやらに永久に付き合わねばならないことをひどく後悔した。漫画何冊かぐらいは犠牲にすればよかった。しかし、こいつはやはり撤回がきくほど優しい奴では無いと思い直す。
「一人前になれるのは3人…パートナー合わせて6人ですから、先程言った二人と協力しても言い訳だし、零太殿が守ってあげればいいですよ。それに、戦って負けたペアのデジログ使いは確かに死にますが、パートナーの人間はその修行に関する記憶と、その反動で大切な人の記憶が一つ消えるだけ…です」
と、今度は別の紙を取り出して言う。
「見事に一人前になれた3人は、一人一つ願いを叶えられますから一緒に頑張りましょう!
…っと、誰か来たようですよ。
―デジログ使いが」
と、ランザはやはり素早くそれを話す。そして零太は最後の言葉に反応した。
「…え?誰…」
ピンポーン。
来た。
まさか初っ端から戦いに…?
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン…
「だーっうるせーな!一回で十分だっつの…」
ガチャリ。
…あれ?
今、ドア開いたよな?共働きだから両親は今いないはずだか…
「零太ぁぁああっ!!」「うわっ!?」
二階にある自室まで、ドタドタと上がって来た、この女は。
「ゆ…友莉葉っ!?」
「零太っ、た、た、大変!変なのが、家に来て…」
「よっすランザ」
「あ、久しぶりですね、ガオウ」
「いやぁぁあ、着いて来てるうぅっ!」

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