梨花、私はあなたを知ることができて良かったと思っている。
あなたは、みんなが言うような女の子じゃなかったし、知れば知るほど遠い存在ではなくなっていた。
あなたはお兄ちゃんの大切な人で、あなたはお兄ちゃんを大切にしてくれる人。そして…
あなたは私の大切な友達。
あなたをよく知る前の私や、私の友達はあなたの噂を鵜呑みにして、あなたと言う人を見ていなかった。
あなたの噂…。
それは学校に単位が足りる程度に来るだけで、学年トップの成績を簡単に取ってしまうとんでもなく要領のいい人で、その上綺麗で、皆が羨ましがるような男の子と噂になる。
そんなあなたをみんなは羨ましいと思う反面、やっかんでいた。
要領がよくて綺麗だからって男の子にちやほやされて媚びている、でも女の子とは全く関わらないで本ばかり読んでいる変わった人という「藍田梨花」が一人歩きしてしまっていた。
高校二年生の二学期、あなたを学校中探してやっと捕まえた。
あなたを捕まえることが出来て良かった。
かなり時間が掛かって、苛々していたけれどお兄ちゃんもあなたも幸せになってくれたから。
そして、あなたを知ることが出来たから。
[363] 
[0] 
[0]
