アキ 11

ゆう  2009-10-06投稿
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「アキ、最近付き合い悪くない?」
ゆかが甘えたように俺の腕に絡みつきながら言った。

「そんなことないだろ」俺はそっけなく答えた。


ゆかは高校の時に関係を持った女のひとり。

地元を離れて、他の女とは自然に連絡を取らなくなったが、ゆかは俺と同じ上京組だった。

大学に入学して、しばらくした頃、偶然に会った。

それから関係がまた続いている。


「ねぇ、この間水族館で一緒だったおばさん誰?」
「誰でもいいだろ」
「別にいいけどね。アキとこうしてられれば…

ゆかが唇を重ねてくる。


最近、ゆかを抱きながら、いつも透を想っていた。

透の…
透は…
透が…
透なら…






「…トールって、あのおばさん?」
ゆかが下着をつけながら聞いてきた。
「は?なんで名前…」
「ヤってる最中にアキが名前呼んでたんじゃん。」
「…マジ?」

やべぇ…。俺、重症だ。
「珍しいね。アキがそんなに入れ込んでるなんて」
「別に入れ込んでねーし…」
「あれ?顔、赤くない?」
「赤くねーし!」

なんか弱みを握られたみたいで、恥ずい。

「アキ、可愛い」
俺をおちょくるように、ゆかが言った。

「でも、ゆかアキとヤルの好きだから、この関係なくなるのは嫌だからね?」
「……」

ゆかは屈託のない笑顔で俺にキスした。





続く

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