白黒ー其ノ肆

紫希  2009-10-06投稿
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女は語った。

その後、ずっと彼の事を見ていたこと

彼がいつも行く時間に合わせて学食に行っていたこと

彼の家までこっそりついていったことがあること


住所ハ、ワレテル…?


「それは告白?」

「ええ。そのつもりだけど?」

女は頬も赤らめずに、さらりといった。

一応、初メテダッタンダケドナ…

ふらりと風がふく。女が彼の方を向いた。

「さて、それじゃあそろそろ行く?」

「いいのかい?」

彼も女の方を向いた。

「よくないわ。もう少しこちらの世界で貴方を観察していたい。でも貴方がこの世界を離れるならついていくしかないでしょう?」
女は、白い、切ない声で、しかし、穏やかに呟く。

「そうかい。」

彼は一瞬うつむくと、また彼女のほうをむいた。

「なら、もう少しこちらに居ようかな。」

「え?」

女は少し驚いた顔をしたが、すぐに微笑んだ。

「そう、ありがとう。でも、私もあちらの世界には興味があるの。そうね、半年、あと半年待って。」

「わかったよ。」

彼は微笑みながらこたえ、最後の疑問を口にする。


「ところで君の名前は?」



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