今日ハモウ止マナイカナ
彼は彼女の部屋から外をながめていた。今日はあの屋上の一件からちょうど半年後の日曜日。
彼と彼女はこれから出かけることになった。
彼にはこうなることは最初からわかっていた。そしてこの後、どうなるのかも。
がちゃん
背後で扉のあく音がした。振り向くとそこには身支度をすませた彼女の姿があった。
「そろそろ行きましょうか」
「あぁ」
頷くと彼は腰をあげた。
二人で玄関まで歩いていく。
自分デ言イ出シタコトダ
彼はこの半年の事を思い返した。彼女との思い出はどれも楽しかった。あちらの世界でもそうだろうか?
デモ、マァコイツト一緒ナラ問題ナイダロ
そう思うと少し気が晴れた。
ふと前を見ると彼女が扉を開けて待っている。
彼は靴を履くと彼女と一緒に部屋を後にした。
並んで歩く彼女の顔は天気とは正反対に晴々としていた。
それを見ると彼は
世界が、少し、明るくなった気がした。