白黒ー其ノ伍

紫希  2009-10-06投稿
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今日ハモウ止マナイカナ


彼は彼女の部屋から外をながめていた。今日はあの屋上の一件からちょうど半年後の日曜日。

彼と彼女はこれから出かけることになった。


彼にはこうなることは最初からわかっていた。そしてこの後、どうなるのかも。

がちゃん


背後で扉のあく音がした。振り向くとそこには身支度をすませた彼女の姿があった。

「そろそろ行きましょうか」
「あぁ」

頷くと彼は腰をあげた。

二人で玄関まで歩いていく。

自分デ言イ出シタコトダ

彼はこの半年の事を思い返した。彼女との思い出はどれも楽しかった。あちらの世界でもそうだろうか?

デモ、マァコイツト一緒ナラ問題ナイダロ

そう思うと少し気が晴れた。

ふと前を見ると彼女が扉を開けて待っている。

彼は靴を履くと彼女と一緒に部屋を後にした。

並んで歩く彼女の顔は天気とは正反対に晴々としていた。

それを見ると彼は


世界が、少し、明るくなった気がした。

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