翌日は朝から奈々の機嫌が最高に良かった。
どうやら朝の登校時に猛くんから告白されたらしく、休み時間のたびに二人してベランダでイチャついている。
…昼休み…
暇な私は透くんのクラスに行って昨日のお礼を言おうと思っていた。
廊下に出てから透くんのクラスがわからないことに気づいた。
春「はぁ〜何やってんだ。私ったら…」
そのまま廊下を歩いて各教室を覗いて回った。昼休みの教室には生徒がほとんどいない。
春「やっぱいないなー。」
階段を降りようとしたとき、下から透くんが女の子と二人で上がってきた。
私は心臓を掴まれた気分だった。
春(見たくないものを見てしまった…)
透くんは私に気づいていないようだ。
私はそっと気配を殺して階段を早足で降りて、二人の横を通った。
すれ違いざまに透くんが「あ。」っと言ったように聞こえたけど、そこでニコッと愛想笑いできる私じゃない。
掴まれた心臓が痛くなくなるまで、私は昼休み中、学校内を歩き回った。
春「やっぱ彼女いたんだ…。昨日それっぽいこと言ってたもんねー。あ、お礼言いそびれた…。」
昼休みの終わりのチャイムが鳴ったとき、私はフラフラと体育館の裏まで来ていた。
春「次、そうじの時間…」