知ってるよ。?

やまだ  2006-08-04投稿
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知ってるよ。

あなたはあたしのこと
これっぽっちも好きだなんて思ってないこと。


でも、あなた知らないでしょ。

あたしはあなたの笑顔ひとつで、
馬鹿みたいに勘違いできるくらい
あなたのこと好きでしょうがないの。




――…?…――






昨日鈴木くんは確かに言った。
良いことある。って。




うそつき!




あたしがいじけながら話しを聞いてると、鈴木くんはなにかを思い出したようにポケットを探り始めた。

『…あ。そうだった。えっと…これじゃなくて―…あった!これこれ!』


ポケットから勢いよく飛び出したのは、
小さなうさぎのマスコットと鈴がついたストラップ。



『わぁッ…!!かわいい!』
『でしょ?はい。沢木にあげる。』



鈴木くんは、ひょいとあたしの手を持ち上げて、ストラップを掌にのせた。



『泉先輩いるとさ、あたしも欲しい!とかうるさいじゃん?沢木、鞄にも携帯にも鈴がついてるから、好きなのかと思って。』
『うっうん、好きなの…鈴。』

嘘。


たまたまついてただけだよ。

でも

なんでだろう。


あたし
鈴が大好きになってしまいそう。



『ジュースのおまけなんだけど、良かったら使ってよ。』
『うんっ…使う!』



あたしがおもいっきりうなずいたら、また鈴木くんは笑った。


鈴木くん。
うそつき、なんて言ってごめんね。


良いことあったね。


ほんとうに。



その後、いつもの曲がり道に先輩がいないこともあってか、
あたしはいつもより鈴木くんとたくさん喋ることが出来た。




あたしは鈴木くんの話しに夢中になって聞いて
笑ってた。


いっぱい泣きたいの我慢しながら


いっぱいいっぱい


笑ってた。

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