台所で夕食を作る母さんから、バイクのカギを貰う時、母、君枝「事故には気を付けるのよ。」
聡「大丈夫、分かってるよ!」
聡のその言葉は本当に解っているのか…母の気持ちなど、到底理解出来ていないであろう。それは母、君枝は解っているだけに、心配が尽きない。母は、また外に出て行く聡を心配そうに、目で追うのでした。
車庫の前、父はバイクを眺め、(良いなぁ、俺もまた乗りてえナァ)と思っていた。やはり親子なのだろうか?実物を目の前にし、自分も欲しくなってしまっていた。そこへ聡がカギを持って現れる。父、謙治「おっ!早くエンジン掛けろよ」
聡「うん!」聡はバイクに跨がり、カギを回す。メーターの各ランプが点灯し、チョークを引く、緊張しながらセルを回すと、「キュル!キュル!キュル!…ブォーン!ボォー…」という音と共にエンジンが掛かる
ゼファーには、前のオーナーが替えた社外品のマフラーが付いてい少し音がデカイ。
父、謙治「良い音してるナァ!少し煽ってみろよ」
聡は頷くと、アクセルを少し開けてみた。
「ブォーン」音と共に、手の平と股の下から振動が来た。
父、謙治「良いなぁ」
興奮した二人、この日ニヤケた顔が戻らなかった…