そうじ中も透くんとその彼女のことが頭から離れない。
春(ヤバいなー、彼女持ちの人好きになっちゃった。まぁ、透くんと関わることもないだろうし、そのうち忘れるさ、こんな気持ち。)
そんなことを何度も繰り返し頭の中で考えていると、後ろに人の気配がして我に返った。
透「………。」
春「わ!透くんか。」
透「………。」
春「き、昨日はありがとうね。おかげで朝からカップル誕生だったよ。」
私は出来るだけ自然に笑った。
春「カップルといえば、透くん彼女いるんだね。」
透「……ん?」
春「さっき昼休み階段で見た。」
透「…やっぱりな、あのときオレのこと無視したろ。」
墓穴を掘ってしまった。
春「……なんか、ジャマしちゃ悪いなーと思って。」
言ってて虚しくなってきた。
ちょうど掃除終了のチャイムがなった。
春「じゃ、またね。」
透「あ…」
もう透くんと話すこともないだろうけど「またね」と言って、私はそそくさとその場から逃げた。
春(これ以上関わってたら好きになっちゃうし)
教室に戻るとまだ猛くんと奈々がくっついている。
奈々「春〜!昼休みどこ居たの?」