春の恋11

フラン子  2009-10-08投稿
閲覧数[301] 良い投票[0] 悪い投票[0]

春「ちょっと先生から呼び出されてて」

嘘ついた。

奈々「今日の帰りさ、猛たちと一緒にみんなで帰らない?」

春「猛くんタチ?」

奈々「猛の友達と。ほら昼休みよくベランダ通っていく奴ら。」

(それって透くんも居るよね?)

春「あ、あたし…、今日はちょっと…委員会の仕事あって」

私はまた嘘をついた。

透くんに会うとダメだと思った。気持ちを押さえた、叶わない片想いなんて苦しいだけだ。
まだ傷が浅いうちに諦めようと思った。


…放課後…

奈々「じゃあ、春、先に帰るね!バイバイ。」

春「バイバ〜イ」


しばらくすると教室に誰もいなくなった。

窓際の席に座ってボーっと時間が経つのを待った。

3日前の放課後、この席で奈々を待ってるとベランダに透くんが来て、初めて話したことを思い出していた。

冬が近づき、日が沈むのが早くなってきた。そろそろ帰ったほうがいい。

窓から夕焼けを見上げると一番星が光っていた。

私は窓を開けた。
冷たい風が入ってきた。


「委員会の仕事は終わった?」

ベランダ側の窓のすぐ下に透くんが座っていた。

私は驚きすぎて声が出ない。

透くんは座ったまま、何も言わない私の顔をチラっと見上げた。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 フラン子 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
オーガニックハーブで
女子力UP↑↑


▲ページトップ