爆発音が聞こえる…
やはり素人だ。
まともに当たるはずも
ない、ましてや焦って
いるなら尚更だ。
とは言え、馴れて落ち
着いてくれば当たって
くるだろう。
その前に討つ…例え、
女子供であろうとな。
銃弾を避け続ければ
落ち着いてはいられない
だろう。
ただ、一発でもかすり
さえすれば…落ち着いて
狙ってくるだろうな。
「当たらない…なんで?
お願い!当たってよ!」
せめて痛みを感じさせず
に…できるだけ素早く。
だが、錯乱しているだけ
なのだろう?落ち着いて
話せば解るかもしれない
…いや、甘いか?
さっきの龍堂を襲おうと
してた男も銃さえ破壊
したら逃げた…武器を
無くせば…斬った!
撃てなくなるように銃を
切り落としたが、腰から
ナイフを取り出すのが
見えた。
しかし、そのナイフを
持っていた手が床に
落ちていた。
反射で切っていた…
そこからは身体が勝手に
動いていた。
頭、胴体を切り裂き、
頭をさらに十字に切り、
脚を切断していた…。
「…馬鹿な…僕は…。」
殺す事しか出来ないのか
…ジブンヲコロスコトハ
デキナイノニ…。
デキナクモナイカ…イマ
ナラカンタンニ…
「れ、零?」
私が見たのは、おそらく
人であった物…それも
女の子だと思う。
そして、その前で
真っ青な表情で
立ち尽くす零…私の中の
疑惑は確定的なものに
変わった…。
殺される…この男と居た
ら、この娘のように
殺されてしまう!
「もう…嫌だ…殺したく
ないのに…あと何人殺せ
ば良いんだ…。」
何を言っている…生き
たいから殺したの
でしょう!
なんで、そんな虚ろな
表情で私を見るの…
こっちを見ないで……
零は手に持っていた刃物
を私の足元に投げて、
不思議な事を言った。
「…これ以上殺したく
ないから、殺して…
僕を…。」