「 」

 2009-10-08投稿
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―――――――10年前。

















死のう。






生きていたって、








意味が無い。












そんな私の心を促しているのか、背中から風が私を前へ前へと押している。





緑色の金網に手を掛ける。








後は簡単だ。







これをよじ登って、そこから落ちればいい。

















ん?




上手く登れない。








ああ、靴下を履いたままだった。




靴下を脱いで……………




そういえば、自殺する人は靴を並べるんだっけ?







まぁ、サンダルだけど同じか……












一歩、また一歩とよじ登り楽園へと近付く。













そして、生死の境界線に辿り着いた。












後、一歩。






後、一歩で逝ける。






お母さんの所に。
















「あっ! アンパンマンがあんパン食べてる!」









「えっ?」








なんて後ろを振り返って見ても、そんなものはなかった。















体に異変を感じた。














背中が妙に寒い。













なんか、胃が浮く感じだ。















ふと前を向いて見ると、一面空が見渡せた。












悲鳴をあげる時間もなく、私は落ちた。














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