注文した飲み物が来た。俺は黙って一口呑み、目の前にある食べ残しの枝豆を摘む。
王様ゲームで盛り上がる…アホか、今時んなもん流行らねーよ。俺は心の中で呟きながら生中を飲む。王様ゲームなんて、ヨッパでエロい奴等のするゲームじゃねーか。俺以外の連中は王様ゲームで盛り上がっている。
｢オイ、何一人で飲んでいるんだよ♪｣
田中は酒臭い息をしながら話し掛けてくる。
｢いいじゃねーか｣
｢真ちゃ〜ん♪早くぅ｣
女が田中を呼んでいる。田中は嬉しそうに女の所に行く。
アイツ、持ち帰る気だな…年考えろよぉ。俺は連中を無視しながら一人で生中を飲み干し、酎ハイを次頼んで酎ハイが来るの待っていた。
｢あのう…隣、いいですか？｣
遠慮がちな声で俺に話し掛けてくる女がいた。顔を向けると、毛先をカールさせた茶髪の若い女が近くにいる。
｢一緒に飲んでいいですか？｣
彼女は俺に向かってもう一度聞いてきた。
｢いいよ、別に｣
俺が答えると彼女は嬉しそうな表情をした。
｢私、幸田由美って言います｣
｢俺、斉田｣
俺の愛想もない言い方。
｢私…王様ゲームって好きじゃなくて｣
｢俺もだよ、何処が面白いか判らん｣
｢ですよね｣
彼女が嬉しそうな声で答える。店員が頼んだ酎ハイを持ってきた。彼女はテーブルに置いてあるグラスを持ってきて、俺の隣に座り直しなが話し掛けてきた。
｢斉田さん、お幾つですか？｣
｢俺？オッサンだよ｣
｢オッサンって…｣
｢３６だよ、オッサンだろ？｣
｢ううん、そう思いません。私がお付き合いしていた彼は４０歳です…もう、別れましたけど｣
｢幾つ？｣
｢２３です｣
｢若いねー、彼氏が欲しいから合コンに来たの？｣
｢違います…友達に呼ばれて｣
｢そっか｣
俺は酎ハイを飲みながら彼女と話をした。
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