僕たちが家の中に入るとすでに隼人とキズナ、美奈が待っていた。
美奈
「にぃに、遅いよ!何してたの?」
達也
「まぁ……ちょっとな。
そういえば花梨は?」
キズナ
「今、部屋で御粧ししてるからもう少ししたら下りてくるよ」
キズナはそう言うと顔を耳元に近づけて小さな声で話しかけてきた。
キズナ
「プレゼント…買えた?」
達也
「うん……ちゃんと買えたよ」
僕がそう言うとキズナは‘よかった,と言って隼人の方へと向かった。
とヒビキが何かに気付いたかのように僕に突然、話しかけてきた。
ヒビキ
『達也、あ、あれ!』
達也
「ん?………えっ!?!?」
僕の目の先には壁にもたれて外を見ている茶髪の髪をした男子、鷹成裕也がそこにいた。
達也
「裕也っ!?」
裕也
「ん?……達也!?」
‘なんでここに?,と言いたげな顔で裕也は僕を見てきた。
達也
「裕也……な、なんでここに?」
裕也
「野々宮にはめられたんだよ……」
達也&ヒビキ
『「はぁ?」』
はめられた……?
その言葉を聞いて僕とヒビキは頭の上に?マークが浮かんだ。
裕也が言うには授業が終わって帰り支度をしている時に花梨が買い物に付き合ってほしいと言ってきたらしい。
裕也もちょうど今日は暇だったらしくそれに付き合ったのだ。
しかし……それがここに来る羽目になるとは思っていなかった。
買い物が済み、家の前まで荷物を運んで帰るつもりだったのだが花梨が‘今日が誕生日だから祝って行って,と言われ断ったがそこに湊さんが加勢し無理矢理、家に入れられたらしい。
達也
「大変だったね……」
裕也
「全くだ……」
するとそこに御粧しを終えた花梨が下りて来た。
花梨は藍色の花が描かれた着物を着ていた。
花梨
「みんな、お待たせ〜」
みんな
「………………」
その綺麗な姿にみんな、見とれてしまっていた。
と花梨が僕に気付き僕の方に近づいて来た。
花梨
「達也……どうかな?」
花梨はそこでクルッと回って見せた。
達也
「う、うん……似合ってるよ」
花梨
「ありがとう!達也!」
そう言う花梨の頬は少し赤く染まっていた。