透「順番に話す。猛が奈々ちゃんへの告白に失敗した日。あの日、ほんとはオレも告白する気だったんだ。」
春「え?奈々に?!」
透「うん。猛は知らなかったみたいだけど。」
昼休み透くんとよく目が合うなと思っていた私は自惚れていた。
透くんが見ていたのは奈々だった。
透「猛の奴、告白に失敗してオレに相談してきてさー。でもどう考えたって奈々ちゃんが好きな奴は猛なんだよ。だから猛に『お前は好きな子いねーの?』って聞かれて、とっさに彼女いるからって嘘ついた。」
春「なんでそんな嘘ついたの?」
透「なんとなく。猛に本当のこと言ったら、あいつ奈々ちゃんのこと諦めそうだったから。」
なんで透くんはそんなに優しいんだろう。
奈々のことが好きなのがわかった今でも透くんに惹かれてしまう。
春「そっか。」
透「…で、なんでオレのこと避けんの?嫌われるようなことした覚えないぞ。」
春「透くん暴露してくれたから、私も本当のこと言うね。……私は…透くんを好きになりました。だから彼女居るって聞いてショックで避けてました。」
チラっと透くんを見ると、表情が固まってしまっている。