エイ編

サン  2009-10-08投稿
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ミミはいつもコウを見ていた。三人で一緒にいるときも同じだった。

僕はそんな彼女を見ているのが苦しかった。

彼女は光太郎が好きなのだ。
そしてあいつも−。

それを実感したのは、ミミが熱を出して入院したときだった。

コウは、朝から様子が変だった。

「大丈夫か?」
「ああ。」

思わず僕は声をかけた。
冷静な彼には珍しく、どこか不安そうで落ち着きがなかった。

僕とコウは学校が終わったら、すぐに病院にかけつけた。

個室のドアを乱暴に開けると、いつもの彼女がそこにいた。

そのとき真っ先にミミのベッドの傍にかけ寄ったのは、コウだった。

彼女のか細い手を両手で包んで、

「よかった」

ただ一言そう言った。

そのとき僕は、得も言われぬ嫉妬を覚えた。

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