春「たぶん、自分でも知らないうちから気になってたと思う。返事はわかってるから『付き合って』とかは言わない。」
透くんはまだ固まっている。
私は気持ちを伝えて少しスッキリした。
空は夕日が沈みかけていて薄暗くなっている。
春「じゃ、そういう事で。私帰るね。」
私は立ち上がりスカートを少し叩いて教室に入った。
カバンを持って廊下に出て、階段を降りようとすると
後ろから透くんが追い掛けてきた。
透「あ…、オレ…」
すごく気まずそうだ。
やっぱり言わなきゃよかった。
春「いいから、さっき言ったこと忘れて。」
私は階段を降り始めた。
透「待って。ちょっと待って…。オレちゃんと考えるから。」
思わぬ言葉に驚いた。
春「いや、そんな無理しなくていいよ。」
透「いや、諦めるな。」
春「自分だって奈々のこと諦めてんじゃん。」
透「あー、もう…。なんかオレ変だ。とにかく待ってて。」
…それから3週間後…
そうじの時間。
透「お待たせ。」
春「………はい?」
透「オレと付き合ってください。」
春「………は?」
透「あれから春のことしか考えられなくなった。これは恋でしょう。」