森宮 ヒロキは堪忍したのか、
抵抗する事もなく、
ぐったりと頭を垂れていた。
『これで全員揃ったわね?!
じゃあ早速、ゲストの控え室で待っている、ミズホと教育長サンの所へ行きましょうか。』
アヤカさんの案内で、
あたし達は、ゲストの控え室へ向かうコトにした。
ドキドキドキドキ――
き‥緊張するよぉ‥‥‥‥。
あたし、ここにいていいのかな???
『アヤカ。ゲストの控え室には、誰も近付かせない様に、うまくやったんだろうな?!』
廊下を歩いているトキ、京谷さんが小声でアヤカさんに言った。
『あぁ。任せといて。
何てったって、ここの総合プロデューサーは、あたしの旦那。
今日のこれからの予定は全て了解済みだよ。
もちろん、ゲストの控え室は、今からあたしら以外、立ち入り禁止だってコトもね。』
京谷さんの質問に、的確に答えるアヤカさん。
ひえぇっっ☆
アヤカさんは、結婚していて、
そんでもって、旦那さんは、ここの総合プロデューサーでっっ‥‥‥。
『これからの時間は、再放送番組と、音楽を中心に流すんですよね?!
だから、スタジオ内は極力、少人数に抑えられている――
そういうコトですよね?!』
聖人が、この状況をイマイチ飲み込めないでいる、
緊張しまくりの、あたしをチラリと見ながらそう言った。
『そォいうコト♪
龍二も、聖人も、物分りがいいじゃん。
さすが、元あたしの‥‥‥フフフ。
以心伝心♪』
えっっ‥‥???
それって、どぉいう意味???
以心伝心‥て‥‥。
まさか、京谷さんと聖人が過去にアヤカさんと‥‥???
『おい‥奈央。
アヤカさんは――』
あたしの不安な表情を察し、
『‥‥えっっ???』
聖人が耳元で、こっそり教えてくれた――
『――京谷サンの元カノ―――』
えぇっっ?!
そ‥‥そっか。
そぉいうコトなら納得。
あはっっ‥‥。
なぁんだ‥‥びっくりした。
聖人が、アヤカさんと‥‥じゃなくてよかった!!