思い出 ?
「プルルルルーン・プルルルルーン」
「はい、西尾ですが、どちら様ですか?」
「中野と言いますが、ご主人はいらっしゃいますか?」
「はい、少々お待ち下さい」
「あなた、中野さんと言う方から、お電話よ」
「中野?何処の中野だ」
そう言いながら西尾謙介は、妻の栞(しおり)から受話器を受け取った。
「もしもし、西尾ですが」
「謙介、久しぶり!誰かわかる?」
「エッ?中野……って、智樹か?」
「ピンポーン!」
「智樹!突然どうしたんだよ?」
「実はこの間、テレビのニュースにもなったんだけど、富岡小学校が、閉校することになったんだよ」
「ああ、テレビでも見たし、新聞にも出てたな」
「もう、何年も前から、噂にはなってたけど、とうとう来春に決ってしまった!」