黒板に書かれた文字
休憩所 18
英語劇 18
ドロー。Draw。泥。
後藤くんも動揺している。
「えっと……こういう場合は…………?」
「後藤、集め忘れてる。
」
あの人はさっき、何かを書きなぐり、くしゃっと丸めた紙を後藤くんに渡した。
「え……、これは?先生の?」
「そ。」
「そ、って………」
後藤くんが予想外のことに慌ててるのとは反対にあの人は飄々としている。神経が図太いのかな。
でも堂々と、とんでもないことをするあの人はとても憎めない人なのだ。
「しょーがねぇなー、秋谷は。」
生意気な男子が言った。
そうなのだ。しょーがないで許されてしまうタイプの人間というのは確かに存在するのだ。
後藤くんがそれを聞いて、先生から渡された紙を広げた。
黒板に書かれた文字
休憩所 18
英語劇 19
後藤くんは、先生から渡された紙を広げ、みんなに見えるように高くあげた。
そこには汚い字で
[英語]
と大きく書かれていた。
どこからともなく拍手と、ため息が漏れてくる。
「決まりだな。」
あの人は自信に満ちた顔で、言った。
後藤くんは席に戻り、あの人が代わって教壇に立つ。
見慣れた光景。
私の好きな時間。
好きな人。
好きな声。
「やると決まったからにはビシビシしごくからな!
英語力も強化しなきゃあな。」
私は先生が好き。