アキ 17

ゆう  2009-10-10投稿
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「そのナイフ、どうするつもり?私を刺す?」

私は動揺しながらも、彼女に聞いた。

「…今日は、刺さない。でも次会った時は、どうなるか知らないよ。アキと別れてくれさえすれば、何もしない」
「脅してるの?」
「うん」
彼女はニコッと笑った。
「大体、結婚してるのに、ゆかからアキを奪おうとすること自体、おかしいよね?」
「奪うなんて…」
「もう、アキと関わらないで」

彼女は最後にそう言うと、私をキツく睨み、その場を去った。



「…はぁっ」
緊張の糸が切れたかのように、私はその場に座り込んだ。

身体が、震えている。

刺されるかと、思った。



「せんせ?」
アキが近づいてくる。
「どうしたの?急にいなくなるから。シゲさんも他の人も心配して…

……透?」


私は思いきりアキに抱きついていた。
身体の震えはおさまらない。

「…どした?なんか、あったの?」
「…なんでもない。少しだけ、このままでいて…」

この先、アキと付き合うなら、彼女に刺される覚悟がないとダメだ。

彼女、本気だった。



初めに、深入りしないって私から約束出したのに…。


「アキ」
「なに?」



私はアキにキスをしていた。





続く



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