教室に戻るとユカリ達がいつもどおり噂話で盛り上がっていた。
『で、その時、木下が急にゴム忘れたとか言いだしたから、ユリったらふざけて今すぐ走って買ってこいって言ったら、アイツ、近くの自動販売機までパンツ一枚で走って買いに行ったらしいよー!!マジ、どんだけだし!!ワラ』
『マジかよっ!?超キモイんだけど!!ワラ』
『何話してんの!?アタシも入れてよ。』
アタシの声に反応してリカが笑顔で振り向いた。
『あ、マチー!!どこ行ってたんだよ!?マジ探したんだけど!』
『マチも入りなよ!ちょうど今、最近掴んだ世紀の大スキャンダル話そうと思ってたんだ!』
私はすぐにユカリ達の近くに歩み寄った。
『なに!?世紀の大スキャンダルって!!』
興奮気味に圭(ケイ)がユカリに言った。
『実は、あのヤリマン女のサキにマジで好きな人が出来たみたい。しかも、今までと違ってアイツ、今回はマジで本気で惚れてるらしいヨ!』
『マジで!?誰!?』
嫌な予感がした。
しかし、その予感は最悪なことに見事に的中した。
『サキの幼なじみ、3組の生島 タクヤ!!』
一番聞きたくなかった名前だった。
私の中で、何かが弾けた。