この世でもっとも恐れていたことが起きてしまった。悪夢は今、確かに現実へと変わっていった。
ユカリからその名前を聞いてからのコトはショックで憶えていない。
ただ、
気付くと私はあの男のもとを尋ねていた。
ウチの学校、始まって以来のプレイボーイ。現代の光源氏。ヘリウムガスより軽い男。
あのサキが唯一、本気になっても落とせなかった相手。加瀬 敦士(カセ アツシ)の所へ。
ウチの学校でサキ以上の問題児はアツシ以外いない。
とゆうか、アツシに比べたらサキは全然問題児じゃない、それどころか優等生と言っても過言ではない。