男は驚きながらも尋ねた。『何でそんな道に行くんだい?』
『え?だって、一番何かありそうじゃん♪他の二つはつまんなそうだもん!』当然のような顔をして少年は言う。
その目はキラキラと輝いていた。
男の目にはその子が格好良く見えた。
と同時に自分を恥ずかしく感じた。
僕は何を考えていたんだろう。リタイアなんて阿呆らしい事を‥
突然、少年が尋ねる。
『おじさんはどの道に行くの?』
『僕は‥』
と男は口をごもらせた。
少年は
『言いたくないならいいや。じゃあね!』
と手を振り、霧の向こうへ行ってしまった。
『僕も一番目の道に行くんだ!』
と言えなかった‥
男はまた一人になった。