一番目の道〜終

Machine  2009-10-11投稿
閲覧数[353] 良い投票[0] 悪い投票[0]

男はふと
三番目の道を行った若者の目が頭に浮かんだ。


今思うと
若者の目は暗く、濁っておりあの少年のようにキラキラしていなかった。

あのままずっと光を持つ事は無いだろうと思った。




僕は今まで苦を避けて歩いて来た。それが正しいと思っていた。



でもそれは間違いだったんだ。



道が険しいと逃げたくなる。



当たり前だ。



けどそこからなんだ。


つらい事に一歩踏み出せるかどうかなんだ。




きっとあの子は立派な人間になれる。



あの子が出来るなら年上の僕にも一歩踏み出せるはずだ。





男は一番目の道に足を伸ばし、一歩踏み出した。


一瞬、『もう戻れない』という言葉が脳裏をかすめる。

足が重くなる。


だが、男は
『何も起こらないよりましだ』
と自分自身に言い聞かせて足を持ち上げた。


すると足は軽くなり、すんなりと前に前に歩いていった。


男の目は決意に満ち溢れ、キラキラと輝いていた。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 Machine 」さんの小説

もっと見る

ノンジャンルの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ