DRAGON LOVER 47

木村蜜実  2009-10-12投稿
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ぐずぐずど泣いているエリン…。
僕は訳がわからないから思わず…

「いい加減にしろよ…なんでそうなんだよ…。訳わかんね〜だろ…。」
と愚痴をこぼす。

「奈々ばっかり…。」

「えっ?」

「奈々ばかり心配してさ…あたしだって…。」
(なんだ…ヤキモチか…。)

「そんな事ないだろ。ただ、奈々は戦闘タイプじゃねぇし、妊娠だってしてんだぞ…。仕方ないだろ?」
僕はなだめたつもりだったが、不満げに僕を睨むエリン…。

「ハーンは何もわかってない!!」
とまた怒りだす。
そしてスタスタと歩き出した。

「こらっ!勝手に行くなよっ!!危ねぇだろっ!」

「うるさいなっ!!もうほっといてっ!!」

一度言ったら聞かない…。強情っ張りなエリンにはいつも悩まされる。

その時、死神達がいる方から悲鳴が聞こえた…。

「死神!!何やってんだよっ!!」
僕は走って戻る。
死神が腕を怪我して倒れている…。

奈々の姿がない………。

「死神!!テメーは奈々を守るんじゃなかったのかよっ!!」

「ご…めん…油断…した。」
僕は舌打ちをして奈々を捜す。

「秀明に連れてかれた…。ハーン…エリンは…?」
はっとした…。

エリン!!

また走ってエリンがいた場所に戻る。

遅かった…。
エリンも何者かに…
いや…
秀明に連れていかれた…。

僕は…
エリンとの約束を守れなかった…。

肩を落とし、死神がいる場所へと戻る。

死神は、自分でキズを治していた。

「エリンも、さらわれたのか…?」
こっちを見ず、死神が呟いた。

「俺が守るって言ったのに…。死神の事言えねぇな…。」

「まだ…大丈夫だ…。エリンも奈々も消えたりしない…。」
僕はその言葉に反応して顔を上げた。

「俺は死神だ。お前達の生死ぐらいわかるさ。だから、希望を捨てるな。俺達だけでなんとかなるだろ?」

「死神………。」

「お前の力はもっとすげぇもんだぜ♪それを出し切る時がきたんだ…。頼りにしてるぜ…ケルベロス…♪」

そうだ…。
俺はケルベロスだ…。

「よ〜し!!やってやるぜっ!!」

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