さっきの下級戦士にライアン達の居場所を聞き出せた死神…。
捕われているのは…。
「いやだ〜!アイツ強いぢゃんか!!」
「そんなこと言うなよ…。アイツを倒せばあの扉だって開くし…ハーンなら倒せるだろ?」
「やだよっ!!アイツの体怖いんだってば!!」
何故こんなにも嫌がるか…。
デルピュネだから…。
上半身は人間の女性で、下半身は蛇という怪物。口からは火を吐く。
僕は蛇が苦手だ…。
絶えられない!!
「死神…やっつけて来てよぉ…。」
僕は甘えた声で死神にねだる…。
「………お前が行けっ!!」
背中を蹴られ、デルピュネの前に立ってしまった…。
(げぇ…吐きそ…。)
顔は美人なのに………体がねぇ………。
「なんだ…ケルベロスか…。」
舌打ちをして残念そうな顔をする…。
「俺じゃ不満かよ…。戦うには十分の相手だと思うぜ…。」
今にも吐きそうな僕は、我慢しながら強気に出る。
「はっ!笑わせるんじゃないよ…。てんで弱そうじゃないか…。あたしには勝てない。」
(言わせておけば………。)
僕は段々と腹が立ってきて挑発にのる…。
「バカ!ハーン!落ち着けよ!!」
死神が叫んでいるが、腹が立ってる僕は聞く耳なんてもたない。
「あんたが神の使いを守る者かい??守れないさ…ケルベロス…お前はここで捕まるんだよ…。あたしより弱いくせに…。」
「ハーン!挑発に乗るな!!デルピュネの思うツボだ!!」
そう…挑発に乗ったら、僕は力を出しきれないタイプ…。
デルピュネは僕の弱点を知っている…。
「ペンドラゴンとモイライは、今頃どうなってるかねぇ…フフフ…。」
「エリンが…何だよ…。」
僕は少し冷静さを取り戻し、エリンに何があったのかと気になりはじめた。
デルピュネは笑いながら…
「今頃………アハハハ!!」
バカみたいに笑うデルピュネ…。
僕は頭に血がのぼる…。
「エリンに…何かしたのか………。」
「………さあね。」
その一言に完全にキレた。
「俺のエリンに何やったんだっ!!」
僕の魔力が一気に放たれる。