GPZ900R、通称「忍者」を手に入れた聡はブルの店「DRUG」に入り浸る
ブル、「また来たか、たまにはどっか走りに行くか?」
聡、「そうっすね、でも店、誰も居なくなるけど、いいんっすか?」
ブル、「あぁ、どうせ誰も来ねぇよ。来ても『走りに行ったか?』位にしか思わねェよ」
聡、「全く…やる気が有るんですか?」
ブル、「無い!」
聡は呆れた。
ブル、「行くぞ!」
聡「ハイハイ!」
二人は店を後にし、峠の方へと走り出した。
峠道に入るとブルはギヤを一つ落とし、回転数を上げ加速して行く。
聡はまだ、ブルの作ったバイクに慣れておらず、引き出されたパワーを出す事を恐れていたが、恐怖心を抑えアクセルを開け、付いて行く。
ブルは、バックミラーで聡の走りを見てそのペースに併せて走っているのだが、ブルの走りは上手い。連続したカーブ等、まるで「ワルツ」を踊っているかのよう。それに併せて走る聡は、楽しくて仕方がない。
バイクや車は、誰かと速さを競ったりと、なにかと?上下?を決めたがるが、「本当はこうなんじゃないか?」と聡は走りながら思った。
頂上付近にある駐車場の自動販売機で休憩をする。二人はバイクを降りて缶コーヒーを買い、タバコを吸う…