月と狼 (リズム重視)

ディナー  2009-10-13投稿
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月を見上げ、狼は吠える

廃れた此岸を
笑うように

煌めく彼岸に
憧れるように

命を喰らって
我が身を生かす

罪深き己を見下すように

血肉にまみれ生きる己に

純白の羊を殺してまでも

生きる意味など
あるのだろうか

ただ明日の太陽を
みるために

何度命の断末魔、
哀しい悲鳴を聞かねば
ならぬ?

ただ今宵の月を
みるために

何度仲間を出し抜いて
裏切り続けていかねば
ならぬ?

それでも体の奥が
叫ぶ。

腹が減ったと怒号を
見舞う。

それを聞くたび
この目は光り

耳は命のざわめきを探す

まるで体と心根が
別々に生きているような

堪らず頭を抱えても

奥から狂った声がする

ハラガヘッタゾ
ハラガ ハラガ
キョウモ命ヲクエバイイ
チニマミレルノガ
オマエノサダメ

狼は今日も月夜に吠える

月まで昇っていけたなら

体と心は一つになるのか

狼は今日も月夜に吠える

狂った我が身を笑う様に



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