海の輝きが、この部屋からはよく見える。
この輝きが・・・
いつの日か、私にも振り切れる日が来る事を・・・
海の側に建っている別荘。
ここで、何が起こるのか、期待を胸に私は叔父の別荘へ遊びに来た。
「遥香、ここがお前の部屋だよ。」
叔父が私の名前を呼んだ。
遥香・・・海上 遥香。
高校2年生。
今年が1番遊べる時だから、私はここで夏休みを過ごすことにした。
そして、お供に選んだのが、親友の城野 麗と、彼氏の南 拓哉。
いつもいる3人でここに来たのだが、これから何が起こるのかを知っていたら、私は2人を呼ばなかっただろう。
私は・・・
拓哉が、手をつないで来る。
麗も微笑んでいる。
遠い過去を夢見ている、そんな感じがする。
海が、綺麗に輝いて、早く海へ行きたい。
「ねぇ、麗、拓哉、海行かない?」
「「いいよぉ〜」」
2人共、異口同音。
笑いながら、海辺へ直行。
「遥香、遥香の叔父さん、すごいね!こんな綺麗な所に別荘あって。」
たしかにそうかも・・・でも、叔父さんだしね。
「いや、そんな事ないって。叔父さんはやり手だったからかな。」
叔父さんの仕事は、学校の理事。
だから、かなり頭は良いから、お金関係になると特にスゴイウマイんだ。
計算関係がウマイと言うか・・・。
きっと、叔父さんは・・・セコイ事もたくさんしてきたんだろうな。
じゃないと、こんなに立派な別荘を建てる事はできないもん。
海では、拓哉がこっちを見ている。
「拓哉、どうしたの?」
拓哉が手で、こっちへ来い、ってやって来たから、急いで拓哉の元へ。
拓哉は、私を強く抱きしめた。
「どうしたの?」
いきなり抱きしめてきた拓哉に、私は聞いた。
「なんか、遥香がどこか遠くを見ていて、どこかへ行きそうだったから・・・。俺、不安になった。」
拓哉は震える声で言った。
そんなに不安になるかなぁ?
普通だったと思ったけど・・・。
麗が、こっちを見て、冷やかしてきたー続く