日曜日ということもあり、店内は賑わっている。
うちの雑貨屋は海外から取り寄せているものがほとんどで種類も豊富だ。可愛いデザインのものが多いと評判で、店に来る客は女性ばかりだ。たまにいかにも付き添いで来ましたという男性もいるが…
ハンカチが置いてある棚に男の子がずっと立っているのが目についた。小学校3、4年ぐらいだろうか?
小学生の男の子が一人で来るなんて珍しいな…そう思って見ていると、男の子は何か困ったような表情をしていた。
「どうしたの?」
声を掛けると、男の子はびっくりした表情でこちらを見た。わたしは男の子と目線が合うところまでしゃがみ
「ずっとここにいるみたいだけど、何かあったのかな?」
「あの…」
男の子はゆっくり話し始めた。
「お母さんにハンカチ買ってあげたくて…でもここにきて財布見たら…お金足りなくて…」
「そっか…お母さんのために偉いね。どのハンカチがよかったのかな?」
「これ…」
男の子が指差したのはバラの花が刺繍されたハンカチだった。
「そっか…じゃあ足りない分はお姉ちゃんがサービスしてあげるよ。」
「えっ…でも…」
「早く買って帰って、お母さん喜ばせてあげてね。よかったらまたここでお買い物にきてね。」
「うん!お姉ちゃんありがとう!!」
男の子は笑顔で答えた。