奈央と出会えたから。<397>

麻呂  2009-10-14投稿
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『き、き、君達。

これは一体どういう事だ?!

こんな事をして、許されると思っているのかね?!

私の両手、両足の自由を奪い、口を布でおおうなんてのは、
立派な“監禁罪”に当たるぞ!!』



森宮の父親は、曲がったネクタイを手で直し、



パンパンッとスーツのジャケットからパンツの裾に向かって、



ホコリを手ではらいながら言った。



『“監禁罪”?!

ケッ‥笑わせるゼ。
テメェの息子のやっているコトの方が、よっぽどタチが悪いゼ?!

教育長サンよォ?!』



京谷さんは、鋭い眼光で、森宮の父親をギロリと睨み付け、


更に、その瞳は、息子の森宮 ヒロキへと向けられた。



『森宮アァァ!!

俺の妹が、2年前、テメェのせいで廃人にされた事実を、忘れたとは言わせねぇゼ?!』



『う‥うぅ‥‥。』


小さなうめき声と共に、



森宮の表情が、大きくゆがんだのが見えた。



――森宮 ヒロキは、京谷 龍二の妹を廃人にした?!――


まさか、そんなコトがあったなんて、



あたしには知る由もなかった。



だから、今回の件、京谷さんも協力してくれてるんだ。



きっと、そうなんだ。



そうなんでしょ?!


聖人?!



静まり返った控え室―――\r



ミズホさんも、



アヤカさんも、



黙って、森宮の様子を観察していて、



聖人は、森宮の出方を、ジッとうかがっている。





『何を言っているんだ、君達は!!

私だけではなく、息子にまで‥‥。

め‥“名誉毀損罪”で訴えるぞ!!』



森宮の父親の取り乱した姿を見て、



あたしは、昨日の職員室でのコトを思い出していた。

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