次の日
メールがきた。
昨日はありがとう。
家近いんだよね?
ランチでもどう?
すぐに誰だかわかった。
昨日のヒト。
いつもなら店以外の誘いにはのらないが、珍しく興味を持ち始めていた。
メールがきて内心嬉しかった。
久しぶりのドキドキに流されるまま、再会のトキはやってきた。
待ち合わせ場所には小綺麗なベンツが停まっていた。
ワタシを見つけたのか窓が開く音がして、彼が
“どうも”
と目を合わせると助手席へと手招きしてくれた。
ワタシはパニくりながら、とにかく従うコトにした。
その日のコトは正直覚えてなくて、ただ別れる前にそっと握ってくれた彼の手がぎこちなかったのが
救いだった気がして
ワタシはそんな彼の手を両手で包んだ。
次の約束もできないまま
ワタシはその日も夜の仕事があるため、自分から車を降りて去った。
その日は彼からのメールはなかったから、ワタシもひかえるコトにした。