ある日
彼が突然お店にやってきた。
“ご指名してみた”
ワタシの顔を見ると赤くなって
こっちまで緊張した。
それを機に
彼がお店に来るようになった。
もちろん、
普段も会っていたけれど
お互いに飲むのが嫌いなほうではなかったし、なにより
ワタシと離れたくないみたいだった。
営業したわけでもないし、普段も会えるのに。
ワタシは彼を想うキモチと
離れなければというキモチを秤にかけて
忘れるようにするつもりだった。
というのも、その時期ワタシは指名も増え、気づけばナンバー2にまでなっていた。
お水の楽しさを憶えた頃だった。
付き合ってほしいをずっと待っていたワタシにとっては
彼が今更に思えたのかもしれない。