天然御曹司には驚かされる事が沢山…。
「いつから付き合ってんの?」
ユミがサツキの肩を叩き興奮気味で話しかける。
皆が一斉にサツキを見る。
(なんでそんな事言うのよ〜。)
サツキは冷や汗が出て、パニックになる。
「え〜っ皆静かにしてくれ〜朝礼は終了だ!仕事始めてくれ!」
(なんか弁解してよ〜。)
半泣きなサツキの顔を見て、民生は小声で話しかける。
「ごめんね。でも、アレ嘘じゃないよ。」
そう告げてサツキの側を離れる。
(も〜なんなの〜!!)
大パニックのサツキ。
仕事しろと言われても手につく訳がない。
からかわれてるのか…
本気なのか…。
さっぱり訳がわからない。
「ねぇ…ホントに付き合ってんの?」
デスクの横から書類を渡しながらユミが疑いの眼差しで見る。
「へっ?なに…?」
放心状態のサツキは、どう答えていいやら…。
「なに…?じゃないよ…。民生さんといつから知り合いなの?」
(あらら…もう名前で呼んでるし…。)
サツキはユミの顔を見てため息…。
「知り合ったのは昨日よ。それに、付き合ってないし…。」
と言いかけると後ろから…
「仕事ははかどってますか?」
民生が覗き込むように立っていた。
慌ててユミは
「サツキ、後でね…。」
とその場を離れた。
「さて…。」
デスクの上に座り、サツキを見つめる。
(だから、そんなに見ないでよ…。)
目を合わさずパソコンに集中しようとするサツキ。
「ちょっと話しあるんだけど…いいかな?」
少し不満げな顔をしてサツキは頷く。
歩く廊下で行き交う女の子はみんな民生を見る。
サツキ自身恥ずかしくなる。
「さっきの怒ってる?」
「…怒ってません。」
「敬語使わないでよ。」
「はい…いちよう上司ですし…。」
そんな会話をしながら、会議室へと行く。
「あのね、しばらく僕の側で仕事してほしいんだ。」
またまた突然の言葉。
サツキは驚いて民生の顔を見上げる。
「社長には許可もらってるし、いいよね?」
「あっ…あたしより…優秀な子がいるかと…。」
「優秀な子より、君がいいんだ…。」
いつもと違う真剣な表情にサツキは戸惑う…。