リレー小説「隣の男の子」2章4話 木村蜜実

木村蜜実  2009-10-14投稿
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天然御曹司には驚かされる事が沢山…。

「いつから付き合ってんの?」
ユミがサツキの肩を叩き興奮気味で話しかける。

皆が一斉にサツキを見る。

(なんでそんな事言うのよ〜。)
サツキは冷や汗が出て、パニックになる。
「え〜っ皆静かにしてくれ〜朝礼は終了だ!仕事始めてくれ!」

(なんか弁解してよ〜。)
半泣きなサツキの顔を見て、民生は小声で話しかける。

「ごめんね。でも、アレ嘘じゃないよ。」
そう告げてサツキの側を離れる。

(も〜なんなの〜!!)
大パニックのサツキ。
仕事しろと言われても手につく訳がない。

からかわれてるのか…
本気なのか…。
さっぱり訳がわからない。

「ねぇ…ホントに付き合ってんの?」
デスクの横から書類を渡しながらユミが疑いの眼差しで見る。

「へっ?なに…?」
放心状態のサツキは、どう答えていいやら…。

「なに…?じゃないよ…。民生さんといつから知り合いなの?」

(あらら…もう名前で呼んでるし…。)
サツキはユミの顔を見てため息…。

「知り合ったのは昨日よ。それに、付き合ってないし…。」
と言いかけると後ろから…

「仕事ははかどってますか?」
民生が覗き込むように立っていた。

慌ててユミは
「サツキ、後でね…。」
とその場を離れた。

「さて…。」
デスクの上に座り、サツキを見つめる。

(だから、そんなに見ないでよ…。)
目を合わさずパソコンに集中しようとするサツキ。

「ちょっと話しあるんだけど…いいかな?」

少し不満げな顔をしてサツキは頷く。

歩く廊下で行き交う女の子はみんな民生を見る。

サツキ自身恥ずかしくなる。

「さっきの怒ってる?」

「…怒ってません。」

「敬語使わないでよ。」

「はい…いちよう上司ですし…。」

そんな会話をしながら、会議室へと行く。

「あのね、しばらく僕の側で仕事してほしいんだ。」
またまた突然の言葉。
サツキは驚いて民生の顔を見上げる。

「社長には許可もらってるし、いいよね?」

「あっ…あたしより…優秀な子がいるかと…。」

「優秀な子より、君がいいんだ…。」
いつもと違う真剣な表情にサツキは戸惑う…。



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