私はその時、まだほんの?歳だった。あの冬…。あぁ、どうして私はあんなにも大切な人をあの時手放してしまったんだろう。どうしてあの気持ちに答えてあげられなかったのだろう。胸から込み上げてくる気持ちはいつも後悔ばかり…
『あ、もしもし?俺とメル友にならない?』━そう、始まりは一本の電話からだった。『え?誰ですか?』━知り合いの先輩からの着信なのに、聞こえてくるのは知らない声。少し照れたような口調で彼は言った。『あ!初めましてだよね?一つ年上のコウっていうんだ。俺さ、ユカちゃんの写真を見て、可愛いと思って。あの、その…メールからでいいんだ。友達になってくれないかな?』━正直言ってうざかった。こんな受験で頭がいっぱいの時に…なんなのこいつ?本当にそう思った。だけど断る勇気もなかった。『別にいいですよ。けど私、今受験勉強でそれどころじゃないんです。』『それでもいいよ。受験で忙しい時にいきなり電話してごめんね。だけど今日から友達だよ。』━電話が切れた。まさかこの出会いが私を変えるなんて、この時は思ってもいなかった。