「ランどうしよう…本当にあの人達だったよ。」「…しらばっくれましょう。」ランと呼ばれた青年がこたえる。
「え!?いいのかな…」そうこうしているうちに二人組はもうすぐそばまできていた。
「あ!今ボク達を疑ってしらばっくれようとしたでしょ!!そんなことしたって無駄なんだからね!逃げても…っ地の果てまで追いかけてやるんだからねーっ!!」金髪の女性が子供の様に言う。「…なぜわかったんですか…?」すると女性は得意そうに胸をはって、
「だって今までだってそうだったもん!!」
「…いばることでしょうか?」
「…私もいばることじゃないと思うよ。」二人の疑問。続く沈黙。
「そうだよ!!いばることじゃないだろ!?」黒髪の青年が沈黙をやぶって軽く女性をたたく。
「なにさ!ぼくをたたくぐらいなら服装かえればいいじゃんか!!」
「…お前こそ!」そうこうしているうちに喧嘩が始まった。
「さあリオ。今のうちに逃げましょう。」
「え!?でも…」
「ほかの人に護衛を頼めばいいことです。こんなバカ達は無視しておけばいいんです。」するとピタッと喧嘩がやみ、
「ボクはバカじゃないもんっ!!…十夜はバカだけど。」ごつんっ!鈍い音がひとつ。
「すまないな…いきなり。おれは水無月十夜。こっちはパートナーのシエン。シエン・リーだ。よろしくな。で、あんた達の名前は?」