メイド喫茶から少し歩くと謎のウサギカフェが見えてきた。外観は、とてもかわいらしい作りで若者のデートにはぴったりな作りだった。
店内はカフェルームとウサギと戯れるプレイルームに別れていた。店内に目をやると若いカップルがプレイルームでうさぎと遊んでいる。
全く最近は変わった店があちこちにあるもんだと思う正志だった。ふと目をやると奥の席に何だか妖しい置物が座っている。よく見るとうさぎの着ぐるみのようだ。
「おい、一番奥のうさぎの着ぐるみを着た男、あれどう見てもウサギ男だろ。」と正志は二人に言った。
三人はウサギ男の席に言って話し掛けた。「すみません。あなた、ウサギ男さんですか?その着ぐるみお似合いですね。」とかぐや姫は言った。
ウサギ男はうさぎの着ぐるみを着ており、顔は30代後半のおじさんだ。
「私は北村という者ですが、あなたたちは一体どなたなんですか?」
ウサギ男の口調は丁寧だった。一応、名字があるようだ。
「僕らは偶然知り合った仲間同士で、僕は正志でこちらはかぐや姫、そしてこっちは海賊。僕らは偶然あなたと出会うようになってるんです。」
「君らと僕が偶然巡り合う?一体、何の事ですか?」とウサギ男は不思議そうに尋ねる。
「実はなお主がワシの船のありかを知っていると思って、ワシらはここへ来たんだ。」
「船?一体私にはさっぱり分かりませんね。」
三人の期待は裏切られた。ウサギに会っても船のありかが分からない。
「あのー。私、月の神秘について活動している団体に所属しているんですけが、良かったらあなたたちも参加しませんか?
ちょうど明日の午前11時から先生の講演会があるんですよ。」
「ウサギ男さん、悪いけど俺らは講演会だがセミナーなんかに顔を出してる場合じゃ無いんですよ。」あきれた声で言う正志。
「待って!その講演会、私たちも参加しましょ。何かの手掛かりになるかもしれないわ。」とかぐや姫が意見を言う。
「確かにいつもかぐや姫の言う事は正しいしな。可能性は低いにしろ、行くだけ行ってみるか。」と四人は次の日に”月の神秘”についての講演会に参加する事にした。・・・