3年生の諸君。卒業おめでとう…と言いたいところですが、その前に、君たちに苦言を呈したい。
いつだったか、ある3年生が、校長である私と、廊下ですれ違ったにもかかわらず、一言の挨拶もせずに立ち去ろうとした事件がありました。
実に、けしからん!
君たちは、学校長というものを、いったい何だと思っているのか?
言っておきますが、校長先生というのは、かなり偉いです。ヒラの教師の100億万倍くらいエライのです。
この学校では、校長である私が一番エライのです。いわば王様です。むしろ神と言ってもいいくらいの存在です。
その神にも等しい私とすれ違ったにもかかわらず、挨拶のひとつもしないとは何事だ!
将来、県の教育長になるかもしれない私に向かって、挨拶をしないとは何事だ!
教育長を3期ほど務めたあとに参議院選挙に出馬して当選して、議員を8期ほど務めたあとに、もしかしたら総理大臣に指名されるかもしれない私に対して、一言の挨拶も無いとは何事だ!
と、まあ、お説教はこれくらいにしておきましょうか。
で、話はガラッと変わりますが、昨今、地球環境に配慮したリサイクル活動が盛んであります。
そこで、ぜひ、我が校でも「セーラー服」および「ブルマー」および「スクール水着」の再利用を実施することになりました。私の独断で決めました。
というわけなので、卒業する女子生徒の諸君は、どうせ捨ててしまう「セーラー服」および「ブルマー」および「スクール水着」を、ただちに校長室まで持ってきて下さい。
あ、洗濯とかクリーニングなどの気遣いは無用です。
特に、ブルマーに関しましては、本日の下校時に、校長室で脱いでいただいて、あは、その場で渡してもらえれば結構です。
あとは、私が一括してクリーニング店に持って行きますので、えへへ、くれぐれも洗濯したものなんかを持ってこないで…じゃなくて、わざわざ洗濯する必要はありません。
えーと、次に、突然ではありますが、抜き打ちの卒業テストを行います。
テストといっても、たったの1問です。
私こと学校長の名前を、フルネームで答えて下さい。
なお、不正解の生徒は、即・留年が決定します。
わははは! 私のフルネームも答えられない生徒を、卒業させてたまるものか!