――翌朝病室を訪れると
ゆかはすでに目覚めていた
彼女にいつものような笑顔はなく
俺の姿を見て
少し微笑んだだけだった
「…おはよう」
彼女は黙ってうなずく
いつものように彼女の側に
椅子を寄せると
彼女は引き出しから
あのメモを取り出した
俺はメモを受け取り目を通した
『私、手術うける
それで拓也のお嫁さんに
なる』
顔をあげると
不安と決意の混じった
ゆかの顔がすぐ側にあった
手を伸ばしキスをした
「…顔真っ赤じゃん」
ゆかは真っ赤になったまま
俺の右手をパシッと叩いた
2人は笑う
神様、彼女を救ってください
俺はどんなに辛くても
耐えるから
「…拓也、そろそろ
行かないと…」
真治が迎えにきた
「ゆか、ごめんな
でも絶対時間見つけて
いっぱいくるから…
一人にして本当にごめん…」
『い っ ぱ い う た っ て
お う え ん し て る』
結局俺は何もできない
でも俺、いっぱい歌うよ
ゆかが勇気もらえる歌、
たくさん書いてやる
彼女に申し訳なく思いながら
病室をさった