第6ログ―遭遇―
「落ち着け!今説明するから…」
「だって、だって、この…人?私が着替えてる途中にいきなり押し入れから…っ」
落ち着かせようとする零太に、落ち着かない友莉葉。それを見て会話する二人のデジログ使い。
「…またやったんですね…これじゃ、あんたもう大変態野郎じゃないですか…」
「わっはっはっは…お褒めの言葉ありがとよ」
「褒めてません」
「いやだって、今回のは故意にしたことじゃねーし、どーせパートナーだから構わないってゆーか」
「んなわけないでしょうが」
「んだよお前。パートナーが男だからひがんでんのか?」
「違いますから…」
久しぶりの再会を喜ぶことなく二人は話す。そしてやっと落ち着いた友莉葉に、事情がわかっている零太が話しだした。
「…ということらしい。怪しいとこだらけだが、まあ証拠を突き付けられたし…」
「…うん。零太の言う事だから信じる。それより、もう一人のデジログ使い、だっけ?のパートナーって、滋内灰人君だよね?」
と、友莉葉がまだボケとツッコミを続けているガオウを見て言う。
「ああ…知ってるのか?」「うん。私の友達の部の先輩の弟の友達だって」
「遠いな…」
まあ知ってる人物で良かった。いきなり知らない人物と協力しろと言われてできるわけがないし。そう内心ホッとしながら零太はランザ達を見た。まだくだらない話をしている。
一方、ここは滋内灰人の家。
「いーい?わかった?というわけであたしはここに来たの。」
「…はあ…」
背の高い灰人を見上げながら、デジログ使いの少女が話している。
「わかったら、早速零太君と友莉葉ちゃんの所に協力を求めに行くのよ!レッツ・ゴーよっ!」
「…わかった…」
テンションが物凄く低い灰人に対し、テンションが物凄く高いサエ。まさにデコボコな光景だ。無造作に髪を伸ばしている零太に対し、灰人の髪は短くぴったりしている。ましてや腰までの長髪のランザや、多い髪が首のあたりで切り揃えたようになっているガオウとの違いは激しい。
「…要するに、デジログ使いと翁の鍵3人で協力するということか」
「そうよっ。人間は勝利すれば願いが叶うわけだし、頑張りなさいよっ灰人!」
「ん…」
一見ふてぶてしくみえる顔をしながら、いつものマフラーを直し、灰人は浮遊した状態のサエの案内で赤岸零太のもとへ向かうのだった。