いじわる先生 12 〜ずっと、助け合おう〜

るー6  2009-10-17投稿
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紙を持つ手が震えていた。「くそ教師め…。」
その時、幸輔の携帯が鳴った。
「香山先生…?」
すぐさま携帯に出る。
「もしもし?先生?」
『あぁ。』
「大丈夫。僕は狙われてないよ。」
『山田の目的、何となく読めた。』
幸輔はため息をついた。
「先生、家にいてよ。」
『今、どこにいる?』
「だから先生僕は…」
『どこにいるんだ!』
香山の怒鳴り声。
『優太を何で1人で助けにいこうとするんだ!先生たちに相談してくれよ!』
「矛盾してるよ!」
『山田…』
「先生言ったじゃん!もう先生に頼る年頃じゃないって。」
『おい…』
幸輔は電話を切った。
「僕が行かなくちゃ、ダメなんだ。」
幸輔はようやく、桜川大橋下に着いた。
そこにはいじわる先生の姿はなかった。
「優太…」
優太だけが、倒れこんでいた。
「大丈夫か。」
歩み寄ろうとしたその時、優太に止められた。
「来るんじゃねぇ!」
「……。」

このまま見てろと?幸輔は動けなかった。
その声と同時に、銃声が響いた。幸輔の足元を狙っていたようだが、間一髪外れたようだ。
「…来るんじゃねぇ。」
「……」
意味が分かったが、優太を助けたい。
「オレは、大丈夫だから。」
顔はほぼ腫れ上がり、全身にあざがいくつもある。
「もしそれ以上動いたら、幸輔死んじゃうから…。」すると、弾が飛んできた方から、いじわる先生がやってきた。
「…幸輔くん。それ以上近づかないでね。」
相変わらず幸輔には震えが来るほどの優しい声。
「………先生。」
「何?幸輔くん。」
「優太を返して。」
幸輔の鋭い目が、いじわる先生に初めて向けられた。「取り返せるもんならしてみれば?」
「…僕は。」
と言って幸輔は優太の前に立った。
「撃つなら撃ってみろよ!」
「……」
いじわる先生は黙ってはいたが、口元は笑っていた。「どうせ優太が憎いんだろ?」
「……」
「たった1人の友達なんだ!」
いじわる先生の口元がさらに笑った。
「友達!?何が友達だよ。」
「僕はいつもいじめられてて、優太に助けてもらっていたんだ。」
「…それで?」
あまりにも冷たい受け答えに、幸輔は話す気をなくした。
「とにかく、優太をいじめるのはやめてほしい。」
いじわる先生の手が強ばる。

銃口がだんだん

幸輔へと向かっていった。
「撃つなら撃て…。いいよ。撃ってやるよ。」
「幸輔どけ!」
カチ…
準備完了。



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