奈央と出会えたから。<398>

麻呂  2009-10-18投稿
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職員室で過呼吸の発作を起こした、あたしを、



聖人が保健室まで運んでくれたコト――


その後、



あたしを心配して、職員室へ向かったユカが、



森宮の父親に言った一言――



そして、



森宮 ヒロキにビンタしたコトを――





『森宮アァァ。

当時、俺の妹と同じクラスだったお前は、イジメのリーダー格だったよな?!

妹が、お前らからのイジメを苦に自殺未遂事件を起こしたトキ、

そこにいる、お前の父親が“教育長”という立場ゆえ、

金の力で、この事件をもみ消してしまった。

怒りが治まらない俺は、お前を半殺しの目に合わせた。

しかし、殴っても殴っても、俺の気持ちは晴れなかった。

そうさ、お前を何度殴ったって、

妹の心が壊れてしまった以上、

俺の気持ちが晴れるワケねぇんだよッッ!!

よだれを垂らしながら、俺を見てヘラヘラ笑っている妹を見て、

森宮‥‥テメェは、あのトキ何て言った?!』





震えている――



森宮が小さく体を震わせている――





『‥‥ボクハコレカラ、モウニドト、イジメナドイタシマセン‥‥‥て言った―――』





森宮が、蚊の鳴く様な小さな声で言ったトキ――



京谷さんの元カノのアヤカさん。



大好きな先輩のミズホさん。



あたしの大切なヒト‥‥聖人。



そして、



森宮の父親。



それは――



みんな、



それぞれの、違う思いで見ていた光景であって――





『チッ。口先だけのヤツがッッ!!

今日は、過去のコトを、とやかく言う為に、テメェら親子を引き合わせたワケではない。

森宮アァァ!!
俺は、テメェの様な卑怯な人間が、ひょうひょうと生きてやがるのが許せねぇのよ。

今回、俺が聖人に協力した理由は、それだけだ!!』



京谷さんは、



それだけ言った後は、



妹さんのコトについは、触れなかった。


ケド、あたしは知ってしまった。



京谷さんのツライ過去を。



森宮 ヒロキから執拗なイジメを受け、


自殺未遂事件を起こした妹さんの存在を――

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