捨てる男、拾う女【裏】?

幽玄  2006-08-05投稿
閲覧数[518] 良い投票[0] 悪い投票[0]

人は誰しも力を持っている。必ず一つは持っている。
…生きる力。産まれてきてこれからの人生を精一杯生きていこうと謳歌する決意の産声。
…愛する力。脆(もろ)くもするが同時に無限に強くもする不釣り合いな両刃の契り。
…戦える力。本能を凌駕する勇気と誇りに満ちた華麗なる魂の本質。
 そう、人は強い。十分に強い。十分なまでに強い。

――私は瞳に輝く憧憬(どうけい)の眼を‥‥‥‥『○○戦隊××ジャー真夏のヒーローショー 〜暑さなんてやっつけろ!!熱血!アツアツおでん二人羽織りの決闘!!〜 ※夜には花火が上がるよ』‥‥‥‥『妄想』から機械グローブに移した。
[女]「ココまでお膳立てしてもらっては…、やるっきゃないですね!!」
今、頭の中では怪人がステージから降りて、子ども達を拉致ろうと走り回っている場面にお馴染みのテロップが流れ、子ども達の歓声が沸き起こっている模様。
不謹慎にも鼻歌交じりでグローブに手を伸ばしマジマジと見る。拳のでっぱりと、手の甲、手の掌、に機械ポイ金属製のモノが神々しく装飾された黒い指無しレザーグローブ。甲の方には文字が刻まれている。
【The roaring in Abyss】
[女]「【深淵における咆哮】…?」
どういう事なんだろう?深淵ッて一体?


黄色が怪人にジャンケンで負けて最初の餌食になった。
[イエロー]「カレーならッ…!カレー味なら大丈夫なのにッ!!」
[ブルー]「黄色…、そういう問題じゃないとおもうぜ…」
[レッド]「ピーッ!ケイソク、カンリョウ。ウデノ…ナガサ、テクビノ…カクド、ザコウノ…タカサ、カイジンノ…シンパクスウ。スベテノデータヲ、ショウゴウ……ピッ!ケイサンケッカデマシタ」
[ブラック]「よっしゃ〜〜!良くやった電卓!!、死に損ない…、お前の犠牲は無駄にはしないッ!いくぜッ!!今、必殺の――………」



[女]「…あッ!いけない、また、トんでた。急がなきゃ」
巻き付けた上着を外して、皮手袋を両手に付ける。右手が少し痛かったが、気にしないで付けてみると。
[女]「おぉ〜う!ぴったりだぁ。それに…」
右拳を左掌にパシッと当ててみる。
[女]「痛くない!血が出てるのに、何でだろ?」
また、深く考えてしまいそうな高揚感が私の両手を包んでいた。
…続きます



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 幽玄 」さんの小説

もっと見る

その他の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ