「…」
「…」
二人は慶太郎の自転車をとりに
自転車置き場へ向かっていた
「…あのさ」
「…なに?」
「今日助けてくれたんやんな?
足踏まれてたの」
「足?
…ああ、遊んでるんやったら
仲間に入ろうと思っただけ」
「嘘やろ
でも…ありがとう」
「別に何もしてへんよ」
自転車置き場に着き
慶太郎は鍵をはずす
「…俺の自転車、
後ろ乗りにくいけど」
そう言いながら
後ろの席のほこりを手ではらう
光希は乗ろうとしたが
ある声に邪魔された
「けいたろーみっきー!」
大きな声で秋奈は近づく
「ちょうどよかった~
今から行くん?」
「…うん」
光希は少し残念な気持ちになり
ため息をついた
「どうしたん、みっきー?
あ、わかった
けぇちゃんと二人乗り、
邪魔された嫌やった?」
「…まさか、違うよ」
「ならよかった
あ、でも…うちも自転車ないから
困ったなあ
三人乗りはきついし…
…あ、美弥や!
ちょうどいいやん
みっきー乗せてもらいー
みやー!!!」
「…(うちが?)」
「お、みんなちょうどよかったな」
「美弥はみっきーを
乗せてあげて
うち慶太の後ろ乗るわ」