「能力が開花したようね。あなたにできた腕の小さい黒い紋章は、その証よ」
右腕を見ると盾のような小さな紋章が、刻まれていた。
「本当だ。で俺の能力って?」するとヘレーナさんは、俺の頭に手を当てて目をつむった。
「…ん〜物理武器でもないし、補助道具でもない。多分あなたの身体になんだかの能力が備わったはずよ。ちょっとその分野は私詳しくないのよ…あなたが、生活して行く中で気づくと思うわ」ま…物騒な武器とかではなくてよかったか。
「わかりました。いろいろとありがとうございます」
「それで、あなた達は史河市周辺の安全管理をお願いするわ。ディアーガは、主に夜行動。人間が極限の負の感情を3日〜4日持ち続けた場合現れてその人間を襲う。それをあなた達は、それを止めるのが仕事よ」仕事の話の前に気になることがあった。
「アイリが、またディアミックに狙われたりしないの?」
「それは、今のところ大丈夫よ。今は指輪になってるし、さっきも言ったようにディアミックがパラレルから来られないようにしているから。それに、ディアミックの反応もこっちの世界にない」
「え…他に私を襲った奴らは?」
「安心してあっちの安全管理局が、対処してるから大丈夫」それを聞いてアイリが少し安心したような感じがした。
「でもよかった。ちょうど史河市のハイアーが、足りなくて困ってたのよ」
「他にも同じ場所を任された仲間がいるんですか?」
「いるにはいるけど、あの子の能力が戦闘に向かないから困ってたのよ…」仲間がいると聞いて安心した。
「仲間がいれば心強いですね」
「ま、そうね。今日は、あなたは家に帰っても大丈夫よ。史河市で、ディアーガの反応が見つかったらこっちから念話で連絡するから」
「念話??」
「念話は、相手の心に語りかける声のようなものよ。管理局の技術があれば、遠距離からでもできるから」
「なるほどね」
「んじゃ、私について来て」ヘレーナさんの後をついて部屋を出ると、天井の白い明るい光に照らされた左右に長い廊下が続いていた。