「そういえば、ここの安全管理局って史河市のどこにあるんですか?」
「安全管理局は、その地方の次元のはざまにあるのよ。ま、地方の次元の歪みの中に存在してる建物だと思って」
「な、なるほど〜」よく理解できないけど
廊下を進むと、会社のオフィスビル一階の大きな広間のような場所に行き着いた。
「よし、このくらいの広さなら大丈夫ね。元の公園に転移させるわ」するとヘレーナさんが右手を上げ、眼の色が赤に変わる。すると、建物の中のはずだが、俺の周りに風が吹き荒れ、俺を包み込んだ…
気がつくと元の公園にいた。辺りはもう夜で公園の街灯が周りを照らしていた。
「さっきのヘレーナとかいう女かなりの使い手ね…詠唱なしで転移させるなんて…」
「ま、地方の代表者だから力も凄いんだろうね。とりあえず、家に帰るよ」ディアミックが、流した黒い血はもう消えていた。
俺の家は、どちらかといえば大きくて洋式な感じだ。学校からは、徒歩で約7分ぐらいの所にあり、学校の正門へ伸びる中央通りと呼ばれる道路の一角にある。中央通りは、商店が多く昼は買い物のため人が集まる場所でもある。つまりは、中央通りは商店街ということだ。
今、俺が今いる自分の部屋は、7畳はあるだろう。といっても本棚とベッドと勉強机とPCといったものしかなく、広さと割にあわない寂しい部屋だ。
「雄の家族は、どうしたの?」
「俺の家族は、全員忙しいから今は一緒には暮らしていないんだ」指輪からの声に答える。
「そうなんだ…」
家族については、あまり他人には言いたくなかった。
「俺はこの家族でどう思われているかわからないし色々と複雑なんだ…ま〜そんなことより宿題やんないと」
机に座ってプリントの束に手をつける。まずは、英語からと…こうして、たまった夏休みの宿題に取り組むのだった…
続く