中継地点―A?―\r
「そうと決まったら、早退だよ! 早退するって先生に言っといて咲智!」
私は教室を飛び出した。
校舎を出ると、後ろから咲智が追って来るのが見えた。
「ちょっ、春風待ってよ!」
しかし私は走る足を緩めない。決めたなら、一刻も早く敬一の家へGO!GO!だ。
私の座右の銘は『猪突猛進』だった。
「は…春風…。あんた、足早過ぎっ!」
咲智は早くも体力を消耗しているみたいだ。まあ、私の50メートル走は6秒台だから、仕方ないか。
私は少しだけスピードを落とした。
今の私は、敬一の家以外、何も見えていなかった。
敬一本人さえも…。