中継地点―A?―\r
「…本当に此処?」
今度の私は、敬一の家の前にいた。
「うん。絶対これだよ」
咲智が満面の笑顔で言うが、どうも信用ならない。
「…だって此処…」
私は息を深く吸った。
「私の家の隣じゃん!」
まさかまさかの、隣人が敬一?可笑しいだろ。それ。てゆーか、誰か教えろよ!
「普通は気付くだろ!」
「それが気付かないっ」
「あんた真性のバカ?」
「今更思ったワケ!?」
私は歯噛みする。確かに気付かなかったのはバカと言われても仕方ない。
「…うん。私の負けだ。インターホン押す役割は私がやるさ…」
「物分かりがいいねっ」
私はインターホンに手を伸ばした。