みずきの目の涙の膜はついに雫になって、ゆっくりひとつひとつ落ちていった。
「今でも翔は藍田さんを追いかけているみたいだけれど、相手にされてないみたい。だから、待ってることにしたんだけれど…待つって大変だね。一緒にいれば時間なんてあっという間だったのに。」
みずきはこのことで大分、独りで泣いて過ごしていたみたいだ。
疲れた顔をしていて、涙はそれ以上流さなかった。
「藍田さんにも彼氏がいるはずなのになんでこんなことばっかりするんだろうって考えてたら、藍田さんも彼氏にこんな風にひとりにされたりするのかなって。谷川くん、モテるからそんな事もあるかもなって思うと藍田さんだけが悪いような気がしなくて、私どうしていいのか分からなくなっちゃった。」
みずきの顔はもう、吹っ切れたような笑い泣きの顔になっていた。
「翔くんも人気あるから心配かもしれないけれど、みずきとは中学のときからずっとなんだし、きっと戻ってくるよ。」
「どうかな。時間に委ねるしかないね。ところで…千襟のお兄さんはどうして藍田さんに伝言があるの。」
突然、私があなたを探している理由についてをみずきに聞かれて戸惑った。